障がい者と健常者がともに生きる社会

障害者の自立支援

家族としての不安や苦悩

障がい者を家族にもつ方の中には、こう考える人が多いと思います。

ハンディキャップを持って生まれたこの子は

『いったいどのように成長し、社会の中で生きていくのだろう』

『支えになる家族がいなくなったら、どうやって一人で生活したらいいのだろう。』

と健常者の自分と違う生活を歩まなければならない現実と、

将来を見据えた姿がまったく想像ができず、漠然とした不安を抱えていると思います。

実際、私もそうでした。

私は姉という立場だけれど、両親が他界したあとは弟を看れるだろうか。

自分も老いていくし、自分の子どもの成長のこと・・・。悩みは尽きませんでした。

しかし、私は障がい者を家族にもつ者として読者の方に伝えたいことがあります。

それは時代の変化とともに、

法律が変わってきている=社会に守られている

健常者と障がい者がともに地域社会で暮らす社会のための、取り組みが進んでいるということです。

私が看護学生時代に学んでいたのは、障害者自立支援法でした。しかし、制度上の使いにくさもあり

国は法改正を繰り返し、その後、障害者総合支援法というものが2018年に施行されています。

身近なところから感じる社会の変化

日本の障害者の政策は、以前は、病院や施設入所が中心としたものが進められていました。

確かに昔のイメージでは、

精神疾患患者は自然豊かな広大な敷地に長期入院し、社会と完全に隔離された状態が普通、

呼吸器などの高度な医療的処置が必要な患者を対応できるのは病院のみという環境でした。

しかし、今では、街中に心療内科の看板を掲げたクリニックは多く、

心に何かしらの問題を抱えた方はサービスを利用しながら在宅で暮していることや、

高度な医療が必要な患者もできるだけ、入院期間は短期間で済まして

暮らし慣れている自宅で生活できるように医療・介護などのサービスを受けられる、

というソフト面でもハード面でも変化を感じられます。

また、社会全体の思考もグローバル化が進み、欧州の考えた方である

『障がいのあるなしに関わらず、一人の人間として同じように暮らすための取り組みが必要』

とするノーマライゼーションの理念が浸透してきています。

日本も施設入所を良しとする考え方から、障がい者も社会参加ができる環境作りをしようとする

考え方に変わっていきました。

 

ちひろ
ちひろ

私が印象的なのはテレビ番組でも障がい者の起用が以前より多くなっていること。NHKのSDGs関連の番組で結成された『ミドリ―ズ』のメンバーの中にも、

ダウン症の女の子が活躍していますよね!

障がい者って誰のこと?

法律の改正を繰り返し、誰しもが暮らしやすい世の中をつくっていくということから、

障がい者は様々な支援のためのサービスを受けることができます。

サービスを利用するにはまず『障害者』と認定されることが必要です。

しかし、障がい者といっても、近年は、自閉症や注意欠陥性多動性障害などの発達障害、

また脳に損傷を受けたことによる高次脳機能障害など

障害の範囲はどんどん広くなっていきます。

障がいはひとつだけでなく、

障がい者の定義を説明します。

身体障害者

身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたもの

知的障害者

知的障害者福祉法にいう知的障害者

(知的障害の定義は明確に定められたものはありませんが、おおむね18歳までに知的機能の障害が現れ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものとしている。)

精神障害者

統合失調症、精神作用物質による急性中毒またはその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者(発達障害者支援法に規定する発達障害者を含み、知的障害福祉法にいう知的障害者を除く)のうち18歳以上

難病者

治療方法が確立していない疾病、その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働が定める程度である者であって、18歳以上のもの

障害児 (18歳に満たない者)

身体に障害のある児童、知的障害のある児童。精神に障害のある児童。

まとめ

将来に関する不安の原因のひとつは知識不足からくるといわれています。

医療や福祉を取り巻く、制度的なことは複雑で、医療職であっても理解が難しく感じます。

私や家族の経験や体験から、イメージしやすいように綴っていきたいと思っています。

今後も拝読していただければ幸いです。

 

ちひろ
ちひろ

今健康でも、病気や交通事故でいつ自分や家族がそうなるかもしれない。

つけておきたい知識ですね!

 

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